音源祭は矢口問題のなにも変えてはいない

釣られんなよ
今回、ハプニング的に点と点が繋がり、矢口脱退劇の真相が明らかになった、かの様に見えます。
音源流出という事件性と内容の生々しさにあてられて、多くのヲタが、これこそが脱退の真相と考えるに至っています。
しかし、本当にそうでしょうか
私には、音源に対するショックと矢口脱退に対するショックがショートして、あたかもこれで全てが説明出来るような気になっているだけに思えます。


矢口が娘。を辞めるに際しては、もっと様々な要因があったはず。(タンポポミニモニ。の剥奪、娘。の変質etc)
この音源は石川と矢口の関係性のほんの一部を明らかにしただけ
私はこれで矢口脱退の真相が明らかになったとは全く思えません。


たしかにピタッとはまります。筋の通った説明は成り立つ。
しかし、音源をUPした人物が「これを投下すれば、矢口脱退の真相発覚として大騒ぎになるに違いない」という思い入れであの部分を切り出し、UPしたと考えたならば。
筋が通るのは当然です。
石川の矢口を巡る発言は、傍受されUPされなかったものも、そもそも傍受されなかったものも、膨大にあります。
その中で、よりによってあの場面だけをUPするあたり、彼の狙いは見え透いています。
あれからちょうど一ヶ月の日にってのも、分かり易すぎですね。


矢口がいなければ、娘。もハロプロも今とはかなり違う姿をしていたはずです。
そして、それを間近で見てきた石川には、当然矢口に対する敬意があったはず。
それを彷彿とさせる風景を、我々は何度も見てきたはず。
それがなんという体たらく。
工作に簡単に引っ掛かるなとゆいたいです
もちろん、生身の人間のこと、綺麗な感情ばかりではないでしょう。
昨日の更新に対していただいたコメントにも、「矢口が後輩に軽蔑されている、だから抹消もやむなし」というものがありました。
しかし、ある人物に対する愚痴と敬意が一人の人間の中に同居するなんて、ごく普通の事です。
「やってらんねー」とかしょっちゅう思うけど、でもやっぱり魅力的で離れられない、そんな人近くにいませんか?
それを「軽蔑」の一言で片付けるのは、あまりにも乱暴ではないでしょうか


そもそもASAYAN世代である私にとって、娘。とは、ただの仲良しグループではない、愛憎含めた様々な感情の入り乱れる濃密な集団であって欲しいし、現に年上チームはそうだったと思います。
だからこそ、娘。は素晴らしいんです。
そんな娘。たちが一丸となって素晴らしいパフォーマンスを見せる、その瞬間こそが「ヲタやっててよかった!」と心から思える瞬間だと思うのです。
こんな音源、七味ひと振り、といった所でしょうか。


まずは「やっぱり矢口の脱退は〜」という先走った風潮を牽制しておいて、本題に入ります。



矢口問題の本質と、私はなにに怒っているのか
私の考える矢口脱退劇の本質は全く別の所にあり、それは今回の音源流出を経ても、なんら変わっていません。


それは、矢口の娘。脱退劇に関して、矢口本人・事務所・ヲタ、誰一人として得をしていないという事です。
そして、もっと傷を小さく出来る着地点はあった。
例えば、とりあえず説得を続ける。間に合わないなら八王子は体調不良という事にして休ませる。
なんとか武道館には間に合わせ、それでも意志が変わらないなら、手続きを踏んだ上で卒業。
こうすれば矢口の芸能人としてのキャリアにつく傷は最小限に抑えられ、一個人としても、あの時期に娘。辞めたという悔いを残さずにすむ。
事務所は卒コンビジネスで一儲け。
ヲタは「また卒業かよ」とかブーたれながら、セレモニーのなかで感情を昇華して、次に向かえる。
そう考えると、あのやり方は、非常に下手な手だったと言わざるを得ない。



脇が甘すぎた事に対する懲罰?
私にはこの処置が、矢口が7年間になした業績に比して、あまりに過酷だと思えます。
もちろん、頑張って結果を出したのは矢口だけではありません。
しかし、誰よりも多くのユニットに関わり、結果を出し、裏切られた、そんな矢口が報われずに誰が報われるというのか。


あるいは事務所側は「本人のモチベーションが・・・」と言うでしょうか
タンポポミニモニ。を奪った事務所が言う台詞ではありません。


もし矢口が脱退を強く主張したとしても、なんとしてでも止めるべきだったと思いますよ。
あんな形、誰も得しないんだから。
たった4日ってのも短すぎる。
いざという時に最善の方法の選択が可能な人間関係を普段から築いておく、それがマネジメントの基本です。
海千山千の大の大人が集って、22歳の人一人説得出来なかったのというなら、それこそ無能の証明です。
事務所の無能故に、矢口・事務所・ヲタの三者が必要以上に深い傷を負ったのです。
私はそこに腹が立つのです。



なぜ怒りを露わにするのか
言うまでも無い事ですが、アイドルというのは客商売です。
客を納得させる物語を提供してなんぼ。
その点、私は矢口本人やハロプロメンバーのコメントに納得していません。
なんでこの程度の事で、あの矢口がこんな辞め方しなきゃならないのか。


この「大事件なのに説明不足」という事態は、私に2002年7月30日を思い出させました。
軽部兄さんのフリップ一枚で納得しろと言うのか
大塚さんもガッカリですよ


「あ、こいつらまたやりやがった」


2度ある事は3度ある
次はあなたの推しメンが同じ目にあうかも知れないんですよ。
それでもいいんですか?
私はいやです。
ごっちん加護ちゃんが訳の分からない理由で活動の機会を奪われるなんて、絶対にいやだ。
引退するってなら、それでもいい。
ただ、しかるべき筋道は通して欲しい。
本人の格に見合った見送り方をしてあげたい。
これはヲタのエゴかもしれません。
でも、そこで物分りの良さを演じてみせた結果、あてがわれる世界。
私はそれを愛する自信がありません。


私はこれからも娘。やハロプロを好きでいつづけたい。
好きでいられる、娘。やハロプロでありつづけて欲しい。
だから怒り、強く記憶に刻むのです。


三度目の悲劇を起こさない為に。



なぜ矢口を擁護するのか
今回の件で、「誰よりも責任感の強い矢口」という「矢口伝説」が少しく色あせたのは事実です。
しかし、だからといって、彼女が娘。の一員として7年間にわたって数々の偉業を成し遂げたという「事実」が否定されるはずもありません。

もし、あるいは、ひょっとして、万が一、その、太陽が西から昇った結果、矢口があのタイミングで自らの意志で娘。を離れたとして。
そこで沸き起こる感情は怒りではなく悲しみです。

娘。及びハロプロの歴史は、過去7年間常に彼女と共にあり、両者は密接不可分です。
故に、彼女が損なわれる事は彼女が築いた歴史をも、「ヲタの心象風景の中で」、少しく色あせさせてしまいます。
その喪失の痛みが悲しみをもたらします


ここで注意すべき点は、色あせるのは「ヲタの内面における記憶」であって、彼女が偉業をなしたという「事実」はなんら変わりはしないという事です。


巷間言われる「モチベーション低下説」が、海が枯れ山が崩れ、死者が墓から蘇り、血が立ったまま眠っちゃったりした結果、万万が一、正しいとして。
矢口をそこに追い込んだのは、タンポポミニモニ。の剥奪や、相次ぐ卒業による娘。の変質といった事務所の政策だけではありません。
コンサート会場に溢れるキモヲタどもの群れもまたその要因の一つであり、そして間違いなく私はその一員です。
彼女を咎める事など出来ません。

「それが彼女たちの仕事だ」と仰るでしょうか。
そう言ってしまうには、私はあまりに多くのものを彼女たちから受け取っています。
「大恩ある矢口」という所以です。
金で片付かない関係もあるんだよ、少年。
その上で尚、彼女に投げかける言葉を、私はまだ持ちません。