7月17日 Hello!project 2006 summer Wonderful hearts land 大阪城ホール

■今更ながら、ワンダコン大阪公演感想文の続き。前回は特に印象に残った点のみ書いたので、今回は構成面について。代々木には行ってないので、卒コンに纏わる要素は抜きで。


■自分がハロコンに求めるものって、ハロプロメンバーが全員集合して、順番に持ち歌を歌って、最後は「あーるふぉー」とか歌って、大会場いっぱいに拡がる輝きとエネルギーに圧倒されたい、「やっぱりハロプロってすげー」と思わされたい、そういうものです。
そんな自分にとって、今回のハロコンは構成の面で不満の残るものでした。


■セットリストは27曲中15曲がカラオケ演目(「あーるふぉー」は除く)。各ユニットが単独コンサートを行っている現状、ハロコンにプレミアを付けて集客を、という事でしょう。でもそれって、「それぞれが持ち歌を歌うより、ここでしか見られないカラオケの方が客寄せとして魅力的」と作り手が認めてしまったようなもの。楽曲の弱さを分かってるなら、その質を上げる方向で頑張ろうってのが本道でしょう。現に昔はそれで客が入ってたんだから。
今回は中央ステージがメインステージとしてあまり使われず、周回通路に散開して歌う事が多かったです。それは「可愛い娘がお客さんの近くにいっぱい来ますよー」という事で、フォーメーションもなにもあったものじゃなくて、表現として成立しているとはちょっと思えませんでした。そもそも、表現を成立させようという作り手の意思すら感じられなかった。それが前回「大箱を使った激レス大会」と書いた意味です。実際、レスしまくってたし。
「凄いハロプロ」を目撃したい自分としては、そういうサービスはあくまでおまけ程度にして、持ち歌で勝負して欲しいと思うのです(実際にメンバーが近くに来ると、「うわーかわええええ!!!もっと前行っときゃ良かった!」とか思ってしまうのはヲタの悲しい性なんだけど)。


■今、ハロプロメンバーが全員集合した姿を見られる機会って、正月ハロコン横アリ公演とスポフェスのみ。つまり、関東での公演だけなんですよね。加えて、地方でのアリーナ公演は名古屋・大阪の夏ハロのみ。ただでさえハロプロという枠を感じにくくなっている昨今、「圧倒的なハロプロの輝きとエネルギー」に飢える地方在住のヲタとしては、エルダーメンバーの出演も含め、もうちょっと無理してくれないかなあ、というのが率直な感想です。せめて夏ハロだけは、最後の砦であって欲しかった。大幅減益で台所が苦しいのはお察し申し上げますが。
ハロプロという枠を感じる機会を設ける事が、今いるヲタの繋ぎ止め、引いては先々への投資になると思うし。今回のワンダコンを「エルダーヲタのワンダヲタへの引っ越し大作戦」と呼んだ人がいるけれど、それはグッズの売上げを伸ばしはしても、確実にある種の(恐らくは古いタイプの)ヲタのハロプロ離れを促す事になる。スタンドに拡がる暗幕がその事を証明しているんじゃないか。


■あと、最後のリミックスメドレーですが、あれもちょっとどうかと思います。ひょっとすると、メロンの申し訳nightとのコラボと同様、ヲタの嗜好に歩み寄ったつもりかもしれないけど。本家がそれをやってどうする。ヲタは公式プロダクツで遊ぶ事しか出来ないから、ああいう事やってるんであってさ(さすがに「大阪ラプソディー」にはつい笑ってしまったけど)。
特にまだCDすら出していない「わっきゃない(Z)」は無し。℃-uteにとっても大切な歌なんだから、もっと大事にしてあげて欲しい。彼女たちが曲に誇りを持ち続けられるようにね。


■遊びっていうのは土台がしっかりしているから成り立つもので、今は目先の利益よりも、土台を再建する事を優先して欲しいです。もちろん、外部スタッフの登用に見られるように試行錯誤はしてるんだろうし、特に自分にとってのハロプロの魅力がつんく♂先生のバカっぷりと不可分である以上、どうしようもない部分もあるのだけれど。
こうなるといつもの話の繰り返ですねし。とりあえずつんく♂先生が復活してくれないことにはどうにもならん。加奈子さん、頼むよ。旦那の尻叩いておくれ。


■色々書いておりますが、楽しくなかったのかと言われると、実はしっかり楽しんだんですけどね。あの人数なりのエネルギーは感じられたし、前回も書いたけど、特に℃-ute美勇伝、「夏男」の高橋は本当に素晴らしかった!
昼公演より夜公演の方が楽しめるのは、この手のコンサートではいつもの事ですね。そういうものだと割り切ってしまえば、ヲタならではの微細な視線で楽しめる点はたくさんありますし。
でも、ここにエルダーのメンバーもいれば、ちゃんと持ち歌歌ってくれれば、もっと凄いだろうになあと思うと、なんとも歯痒いのです。


■明るい話もしましょう。
ゴニョゴニョ音源で聴く「わっきゃない(Z)」が素晴らしすぎる!
こんなに楽しいのに、なぜだか泣けてくる。断片だけでこうなんだから、フルコーラス聴いたら自分はどうなっちゃうんだろう。メロンコン会場のなんばHatchハロショに近いんで、そのついでに買いに行こう。今から楽しみで仕方ないです。


■以下、前回書き漏らした点を、箇条書きでダラダラと。


・会場に入ってまず驚いたのが、客席の少なさ。アリーナは両端に計840席ほど。スタンド(→座席表)も両端のC〜Eブロック・J〜Lブロックが暗幕で完全封鎖。残りのブロックも上段3〜4列が封鎖。満員の状態で6200人くらいかな。公演中にメンバーが客席を煽っても、いかにもレスポンスが少なくて。特に美勇伝の圧倒的なパフォーマンスの後の声援の少なさは、ちょっと報われなさ過ぎだよなあ、と感じるほど。
・城ホールは去年の夏ハロ以来一年ぶり。その記憶を引きずっていたせいもあってか、全員集合時のステージにちょっと寂しさを感じたり。いきなり「あーるふぉー」歌われても、君らALL STARSやないやん!
・「なんか人数多いなー、あれ誰だろう?」とか思ってたら、エッグがたくさんいた。周回通路に散開した時、目の前にエッグ3連発とかだと対処に困る。踊ってる是永を初めて見た!
・キッズやエッグと並ぶと、やっぱり娘。メンバーは華もスキルも抜けている。体も出来上がってるし。
・久住に芸能人オーラらしきものが出てた。あと2年くらいしたら、結構とんでもないことになってるのかも、なんて思った。
ハロコンの良さのひとつに、PPPHが揃いきらないので歌が聴きやすいってのがあると思う。
・「好きすぎてバカみたい」(れいな・夏焼・村上・矢島)。間奏部、スキップで花道を移動する時、村上・矢島はれいな・夏焼より常に体ひとつ前に飛び出す感じ。グイッグイッと。素晴らしい。
すっかりカラオケ演目の定番になってしまったけれど、なぜだかこの曲はあまり抵抗がない。dEF DIVAというユニットに思い入れがないからかな?いつもそれなりに成立してるように感じられる。
・菅谷のフニャフニャしたダンス。初めて見た時から面白くて仕方なかったんだけど、相変わらずでなにより。単に運動神経が鈍いだけとも言えるけど、あの味はなかなか出せるもんじゃない。これもまた才能。
・自分の中で鈴木って、いまだに「あぁ!」の頃の「ちっちゃくて目が座ってて、異常に歌がうまい恐るべき子供」というイメージのまま。なので、背が伸びてすっかりスレンダーになった彼女が目の前に来ても、一瞬誰だか分からない。
・「おおきに、道の端から・・・」。こんな曲、存在自体初めて知ったよ。どうしろとおっしゃるのですか(笑)?昔のハロコンで童謡歌った時ってこんな感じだったのかなあ、などと。隣のヲタが早速鳴子を用意してたのに笑った。
・MCでの矢口と萩原のからみ。銭湯の娘で共演したせいか、随分打ち解けた感じ。萩原は背が138cmまで伸びたそうで、危機感を持つ矢口(笑)。
・萩原は終始サングラスを装着。ものもらい説もあったけど、一週前の名古屋公演でもつけていて、前々日の公録では裸眼だったから、そういう趣向なんでしょう。
ベリーズ新曲「笑っちゃおうよ BOYFRIEND」。春ツアーを見た時も感じたけど、ベリーズはかつてのいびつさを脱ぎ去って、「普通に良く出来たアイドルグループ」になりつつあると思う。良くも悪くも安定してきている。今回もその路線を推し進めた曲。昼公演では「普通だなー」としか感じなかったけど、夜公演ではなんだか良いように感じられた。これから聴く度に好きになっていきそう。ちゃんと曲の向こうにイメージされた風景が見えるしね。
・ただ、この日に限って言えば、℃-uteに喰われた感はあった。曲数とか出る順番で℃-uteが優遇されていたのが大きかったんだろうけど。
茉麻。おでこ全開。あの髪型はやっぱり本人が気に入ってるんだろうか。可愛いんだけど、なぜか笑えて仕方がない。不条理感3割増し。
ごっちんHPP最大の失策は、美勇伝の見せ場をちゃんと用意しなかった事だと思う。
・田型ステージの間にスピーカーが立っているので、ステージ上に死角が出来てしまう。夜公演、「唇から〜」で石川が床をのたくってるのが見えなかった時は、あんまりだと思った。
・去年の夏ハロや正月ワンダでも感じた事だけど、ハロコンでのよっすぃ〜はいつだって抜群だ。正直、娘。コンより数段輝いて見える。彼女の持つスケール感には、このくらいの規模のコンサートが似合うという事なのかな。石川が見てると思って張り切っちゃうから、だったらいいな!(いいな!)
・「男友達」のあと、よっすぃ〜が「紺野あさみ、小川麻琴、卒業おめでとう!」。このツアーはふたりの卒業ツアーという位置づけだったらしい。自分はてっきり紺野ひとりの卒業ツアーだと思っていたので、ここでちょっと引っ掛かってしまった。ふたりの挨拶は、マコが「今回が10人最後のツアー」と軽く前フリしてから、紺野が娘。に入って良かった事を5つあげるという、紺野偏重の構成。この辺の見せ方がどっちつかずだったのは残念。
・結局自分は、ちゃんと5期メンバーを見てこなかった。そういう事なんだろう。
・夜公演、最後のメドレーのあたりで紺野がヘッドセットを落として、踊りながら巧みに着け直してた。
・村上が気になって、近くに来る度にずっと見ていた。最後の「ship to the future」、目の前で石川と並んで踊る場面があったんだけど、結果は石川の圧勝。これは相手が悪かった。
・この中に矢口が紛れ込んで歌っててもわかんないよなー、と思った。


・公演時間は、1時間45分くらい。
・贈花は3つ。「まことさん江 読売テレビ『WEST21』より」「Hello!Project御一同様へ 株式会社テレビ東京 コンテンツ事業局長 橋荘一郎」「Hello!projectさんへ ABCラジオ ハロプロやねんより」。ヤン土からは無し。
・客席は、ちらほらと歯抜けがありつつも、おおむね埋まっていた模様。
・一般の親子連れはほとんど見かけず。グッズ装着したリピーターっぽいのは何組か居たけど。
・話題の束サイホルダーは、ほとんど見かけなかった。良きかな。
・さぶ厨(関西のあらゆるハロプロ系コンサに現れて、アヤンキーの縫いぐるみを抱えながら、よく分からない事を叫んでいる亜弥ヲタ。関西では結構有名)は今日も元気でした。最近さぶ厨を見つけるとなんだか安心する。
・なんでさぶ厨の話で終わるんだ。