6月5日 Berryz工房ライブツアー2005初夏 初単独 〜まるごと〜

zepp osaka
6組



ベリーズは最高。客は最低。
まずはステージ上の話から、次に酷いヲタの話を。ネタバレあります。





(ネタバレ改行)






すごいものを見てしまった。ベリーズを見くびってました。心底驚いた。劣悪なスタンディング環境が全く気にならない。口アングリ開けて見つめるばかりだったり、途中なんども鳥肌が立ったり。今年上半期に参戦したのハロー系ライブの中でも文句無くベスト3に入りますね。
最初から最後までノンストップで一気にぶっ飛ばしたって感じで、そのせいでしょうか、1曲ごとの感想はないです。なので、全体の大雑把な感想になります。


・コンサ前のテンションは決して高くはなかった。石川との握手で魂抜かれたままだったし、ベリーズにさして思い入れがある訳じゃなし、横に「始まったら突っ込む」とか言ってる馬鹿なヲタが何人もいたし。
でも、ベリーズが飛び出して来て踊り始めた瞬間、ひっくり返った。よく訓練された可愛い女の子が今の自分たちのイメージに合わせて作られた良曲を歌い、踊る。そんなシンプルな事しかしてないのに、眼前の光景が圧倒的な魅力を持って迫ってくる。
ステージまで5m位というかなりの近距離で見たってのもあったと思う。けど、それだけでは説明がつかないくらい、みんなイキイキと輝いていた。

・今の自分たちに合わせて作られた良曲を、オリジナルメンバーで歌う。それ故、見る者はベリーズというグループを強く感じる事が出来る。歌を本来の姿そのままで楽しめる幸福!加えて、セットリスト・MC台本・衣装・照明等、スタッフがやるべき仕事をきちんとやってる。アイドルとして当たり前の事をやっているだけなんだけど、実は今のハロプロでは、それがとんでもなく貴重なんですよね。ヒサブリに見た「正しいアイドル」に圧倒された、って所でしょうか。
・余計な物語(卒業とか、カップリングとか、成長譚とか)が介在しないから、彼女たちの魅力がストレートに感じられる。(この辺は、私がベリーズの事を何も知らないからってのもありますが)逆に言えば、補完を必要としないそれ自体の力で魅せる事が出来てるという事。
・やっぱりあの年齢だと、変に内面を勘ぐる必要がない。男の匂いもしないし。それも彼女たちをストレートに感じる助けになる。
・初期娘。に通じる、雑音の介在しない一直線なひたむきさ。切迫感と言っても良い。ASAYANのえぐさと、ローティーンの少女をアイドルという枠にはめこむ過酷さ・痛さが共通してるのかな?でも同時に、ステージ上にはとてつもないハッピーバイブが充満してる。この矛盾の両立も魅力か。
・ベタな物語に回収されないで、一瞬の輝きを放った途端、走り去ってしまう。これがpopという事なのか。


・以前私は、これからの娘。の方向性を「小振りだけど、可愛らしく、機動力のある存在」と書いたけど、これってまんまベリーズにも当てはまるんですよね。しかも、完全にベリーズが勝っちゃってる。(今の娘。はアプリインストールしすぎたPCみたいなものか)



ちょっとネガな感想も
・でも、ひょっとしたら今がピークなんじゃないだろうか。3年後、嗣永や夏焼が高2になった時にはもう歌えない歌がいくつもあるし。その時まだつんく♂先生は良曲を書いてくれてるかしら。昔のベリーズはすごかった・・・とか言ってる気が。
・秋ツアー、大阪では大阪厚生年金会館らしいけど、仮に2階席から見て楽しめるかは疑問。それだけの距離を越えて魅力を届かせる力はまだ無いと思う。
・これは魅力と裏表なんだけど、彼女たちの人格・主体性を感じづらい。だからか、ライブ後、高揚感が意外と長続きしなかった。
・前日見た美勇伝コンとどうしても比較してしまう。功労者が報われず、実力を発揮する場を与えられない現状に改めて疑問を感じる。

ベリーズと他のグループ(ハロプロ。に限らず)を分かつ点、ベリーズの固有性ってなんだろうって考えてるんだけど、まだわからない。



メンバーごとの印象
嗣永・・・目の力の強さが印象的。一瞬たりとも迷いを見せない、それはこの娘だけだった。自分の進むべき方向に絶対の確信を持っているという感じ。さらに、「自分が一番注目されるのだ!それが当然!」という確信。この娘なら世界征服をも志すかも、なんて思う。
自分の見せ方をよく知っている。歌の才能を欠いた松浦亜弥といった感じ。(引き算の表現になるのは私がベリーズのメンバーをよく知らない為他のハロメンを基準にして表現するからで、他意はありません)

徳永・・・なっちと同じタイプと見た。歌・ダンス共に突出したものがある訳ではないけど、「そこに知奈子がいる!」としかいいようのない、決して代えの利かない存在感がある。最後の挨拶の時、ヲタが水をまいたのにびっくりした顔してたのが可愛かった。

清水・・・ダンスのキレがすごい。矢口と同じで、小さい体をいっぱいに伸ばしてキビキビを動く。帽子を取ってから前髪がちょっと垂れてたのが格好よかった。浪漫でHEYに出た時の石川を思い出した。

夏焼・・・その瞬間いちばんかっこいいのは誰かなと思ってステージを見渡すと、いつだって、必ず彼女が目にとまった。自分の見せ方、能力を発揮する方法をよく知ってる。彼女ははルックスに関しては全盛期の一歩手前まで来てるんじゃないでしょうか。アイドルとしては8人中もっとも着実に育ってきていると思います。ダンスでちょっとした体のひねりを入れたり、動きの質の高さが目立った。クレバーな高橋という感じ?

舞波・・・ちょっとダンスの質が低かったかな。例えばキャプテンと並んで踊る時、振りが明らかに遅れ気味。動きも遅いし、ぶれてる。あれが限界なのか、抜いてるのか、たまたま体調不良なのか、1回見ただけでは判断できず。しかし、そんな存在すらワンポイントとして機能してしまう。それがただの寄せ集めではない、有機的に機能しているグループの強み。

熊井・・・ルックス・スタイルはレベルが高いのに、なぜか地味。自分がなにをすればいいのか、自分の才能がどちらを向いているのかまだ見えてない?安心感の出だしのボーカルが鮮烈。

茉麻・・・太っ!テレビで見るとこの娘の周囲の時空が歪む感じがするけど、ステージ上ではそういう印象は無し。いつも少し困っている感じ。飯田さんと同じで、すこし窮屈そう。

菅谷・・・背が伸びて少し太ったかな?このままだと茉麻を抜くかも。それってヲタにとってはどうなんだろう。まだ自分のコントールの仕方、力の出し方、表現の仕方を知らない。だけど、半ば無意識にやってる(であろう)ダンスは明らかに他メンとは違う柔らかさを持ち、何故か目を引く。ずっと見ていても全く飽きない奇妙な魅力がある。8人中、アイドルとしての潜在能力はずば抜けてるんじゃないかな。クレバーさのないごっちんという感じ。「菅谷がいればハロプロ。は後10年戦える」という言葉は本当かも。才能を発揮しきらずに終わる可能性もあるけど・・・。




細かい点いくつか
・松浦コン、Wスタンバイにもなかったビジョンが設置されてた。事務所の力の入れっぷりが分かる。
・ツアーグッズのTシャツも、ヲタ向けという以前に普通のTシャツとしても良いデザイン。他メンのツアーグッズと比べると・・・
・アルバム曲、CDで聴いてた時点では地味と言うか、曲数揃える為に無理やり入れたくらいに思ってたけど、ライブで振り付けと合わせて聴いて印象一変。特に、日直がこんなにかっこいい曲だったとは!
・今ツアーのスタッフ部門MVPは振り付けの先生に差し上げたい。ハッピーバイブ200%増し!ブラボー!!!
・ネタバレ完全回避で臨むも、入場後の待ち時間に「愛あら・・・」「ピースが・・・」という声を聴いてしまう。ここまで来て・・・。で、そのカバー曲だけど、さして違和感なし。セットリストの真ん中に固めて持ってきて、前後を愛の園の朗読と友情純情のPVで区切った事でメリハリがついてたからか。事務所の夏焼推し。春夏秋冬だいすっき!をライブで聴けて嬉しかった!
・夏焼がトロ恋を歌ったラスト、目をクルクルさせる所、ぎこちなさと言うか、照れが残る。それはそれでとても可愛らしいんだけど、松浦ってやっぱり凄かったんだな、と。機会があれば嗣永にも歌ってもらいたい。
・友情純情〜のPVの後、なんちゅう恋をやってるぅYOU KNOW?のCMが流れる。そりゃ反則だよー。買いたくなっちゃったじゃんか。
・あなたなし、この曲だけ明らかに異質。かっこ良すぎ。ハロプロ。全体でも、こんなにかっこいい曲って無い。が、それ故にここでライブの流れが一度途切れてしまった感あり。大人っぽい曲故、露出の多い衣装から見える子供体型と食い違って、イマイチ曲に没入出来ず。
・全体的に表情は硬い。心の底から楽しさがはじけてる、という風ではない。笑顔はちゃんとつくってるんだけどね。
・後半ちょっとばてたかな?やはり、まだ体力に問題ありか。
・ほとんど口パクだったような。セットリストと体力を考えれば、無理もないか。現時点では納得。口パクなりに、いいもの見せてもらったし。
・最初のMCで菅谷が涙ぐんで、徳永が気遣ってた。なんどか言葉を交わす様子。でも、すぐに前を向いて表情を作る。プロだね。
・蝉の出だし歌ってから、夏焼が袖にはける。20秒程で出てきたけど、なんだったんだろうか。
・MCが最初と最後の挨拶だけというのは良い判断。どうせ芸のある話は出来ないんだし、しょーもない合いの手を入れるヲタも絶対居るから、精神汚染の元。むしろスピーディーに走り抜ける事で歌とダンスの力を堪能できた。
・花はハロプロやねん!と、テレビ東京事業部から。

・繰り返しになるけど、「可愛い女の子が」「良い歌を歌って」「キビキビと踊る」それだけのシンプルな事がこんなにも楽しい。つんく♂先生もやりゃ出来るじゃん。
・行って良かった!というか、行かなきゃ損!


そして劣悪なヲタの話
私は最前ブロック中央あたりに居たのですが、その辺りにいたヲタがあまりにも酷すぎました。開演と同時に激しくモッシュする、奇声を上げる。それもメンバーの名前を呼ぶだけじゃなく、受け狙いで「誰かー!」とか。密集地帯でひっきりなしにジャンプする、ヲタ芸をする。私が今まで行ったハローのライブの中でもズバ抜けて最低の客でした。
メンバーへの配慮は一切なし。菅谷が涙ぐんでたのは、多分彼らが原因だと思います。
私はたまたま体力に恵まれているので、自分の立ち位置を確保した上で周囲への感覚を遮断する事でステージに集中する事が出来ました。でも、体力に自信の無い方はとても耐えられなかったでしょう。
あるいは人並みの神経を持った人なら、あんな連中と肩を並べる事自体が苦痛でしょうし、ステージ上のメンバーから同類だと思われたくないが為に後方に撤退してしまうのではないでしょうか。私はせっかくの好ポジションを手放したくなかったのと、連中にその場を明け渡すのがシャクなので意地になって居座ってましたが。
こんな環境で行われるライブを彼女たちが心から楽しみにしてるとは、私にはとても思えません。もし来月あたり、菅谷のベリーズ脱退と芸能界引退が発表されたとしても、私はさして意外には思わないでしょう。むしろ、「ああ、やっぱり」と思う気がします。

私とていい年をした大人です。最前ブロックで凝視している姿が彼女たちに心地よいものであろうはずがありません。本質的には目糞鼻糞です。が、彼らはあまりにも酷すぎる。あんな連中はライブから排除するべきです。ホールコンでの良席に大枚をはたけない私には、定価で無理せず前に行けるスタンディングはすごくありがたい。ですが、当分ベリーズはホールコンに専念した方がいいと思います。
でないと彼らの存在が彼女たちの心を壊し、ベリーズの未来に決定的に暗い影を落とすでしょう。




再び全体の感想

ひどい客はいたけど、ベリーズはとにかく素晴らしかった。丸1日たった今でも、彼女たちの踊る姿が残像となって目の前にちらついています。「ベリーズのファンってこんな楽しい思いしてたのか・・・。もともとモーヲタだった人が転んでいったのもわかるな・・・。」なんて思ってしまいます。まだ東京公演が残っていますが、行くかどうか迷っている人、少しでもベリーズに興味のある人、ハロプロ。の熱い現場を目撃しておかなければ気が済まない人は是非見ておく事をお勧めします。
ただし、余程体力と精神的なタフさ(or無神経さ)に自信のある方以外は最前ブロックには近づかない事です。そしてもし運悪く、近くに馬鹿ヲタが居てしまったら、とにかく彼らの存在から意識を遮断する事です。それでもベリーズは素晴らしいパフォーマンスであなたを楽しませてくれるはずです。
っていうか、私がもう一回行きたい!誰か時間と金を下さい!