Berryz工房コンサートツアー2005秋 〜スイッチON!〜

大阪厚生年金会館大ホール
O(15)列 サブセンター

私はベリーズに物語性を求めません。よく訓練された可愛い女の子が良い曲にのって歌い、踊る。ただそれだけの事がこんなにも素晴しい。卒業だのカップリングだの狼発のキャラだの、様々な物語をまとってすっかり鈍重になってしまったお姉さん方のマネなんかしなくていい。むしろ「涙涙の卒業物語」なんてものからは出来るだけ遠い存在であって欲しい。愁嘆場は見たくなかったので、メンバーが最後まで崩れることなくやりきってくれたのは幸いでした。フラットな感情で最後まで見ることが出来ました。
総じて「今の彼女達ならこれくらいやるだろうな」という感じ。ビックリって事はなかったです。「初単独」の衝撃の再現を期待してたんですが、やっぱりホールはまだ大きすぎましたね。ただ、中盤のあの曲は凄かった。あれ1曲だけでも定価払って良いです。このままみんな順調に成長して、つんく♂先生も良曲を提供し続けてくれれば、数年後、もっと面白いものが見れるかもしれない。そんな風に思いました。


開演前

開演2時間前の時点で会場前の公園はかなりの賑わい。最近減りつつあるラジカセで曲をかけて踊るヲタも多く、トップクやヲタTも含め、相変わらずベリヲタは活気がある。良くも悪くも「痛い」ヲタが多い。
年金改革に絡んで厚生年金会館が廃止される可能性があるとかで、存続嘆願署名を募っていた。社会人としての立場は忘れて署名に協力。大阪厚生年金会館って近畿地方では最低の会場だけど、ハローのコンサの開催回数は最も多く、ここが無くなったら困るので。
近くのBOOK OFFで時間を潰し、開演30分前に入場。その時点で当日券は立ち見のみ。会場は満席。ヲタの平均年齢は20代後半か。高齢ヲタは比較的少なく、逆に二十歳前後の若い子が明らかに多い。女性もチラホラ。親子席を見たら、親子は10数組といったところ。親がヲタっぽいのが多かったけど。開演前からメンバーの名を叫ぶヲタが他のコンサートより明らかに多い。
ステージは上下2段に別れ、中央にビジョン。左右に階段があり、1階部分正面に出入り口がふたつ。この正面出入り口と、ステージ2階部分、舞台袖から出入りする仕組み。
贈花は「ハロプロやねん!」と「テレビ東京コンテンツ事業局長」から。
ネタバレ回避してたので、知ってたのは「小遣いUP大作戦」があるのと、セットリストの評判が上々ってくらい。
20分ほど遅れて開演。影アナウンスは2回。なぜか異常にドキドキしてくる。


開演

まずはメンバー紹介V。バックにはベリーズの歌うオリジナル曲が。「ベリベリベリーズ工房♪」という簡単なものながら、相変わらずの力の入りっぷりを感じる。


1.なんちゅう恋をやってるぅ YOU KNOW?
2.21時からのシンデレラ

1曲目はシンデレラだと思ってたんで、ちょっと意外。
シンデレラ、「少し急ぎ足の」って歌詞がすごく好き。
一旦暗転。


3.MC

夏焼→舞波千奈美→熊井→菅谷→茉麻→嗣永→キャプテンの順でメンバー紹介。
まずキャプテンが夏焼を紹介し、次に夏焼が舞波をと言う風に順に紹介。声援はみな同じくらい。茉麻が嗣永を紹介する時「私達は彼女の笑顔にいつも癒されています」っていうのにちょっと笑った。
キャプテンから舞波卒業のお知らせ。ヲタはお約束の「エーッ!」。舞波「私、石村舞波は、今回のツアーをもってBerryz工房、そしてHello!projectを卒業することになりました。(ヲタ「エーッ」)卒業後は普通の中学生として勉強に専念します。でも、10月2日まではberryz工房の一員として、皆さんと一緒におもいっきり楽しいコンサートを作っていきたいと思っています。応援よろしくお願いします!」(ヲタ歓声と拍手)。キャプテンが「みんなで楽しんでいきましょー!」と締め。歓声に包まれた会場はそのままハピネスへ。
まあ、いつものパターンと言うか、お約束の「エーッ!」とそれに続く何事もなかったかのような歓声と拍手。見事な切り替え。ネット上と同じく、言葉を失い立ち尽くすばかりと言う人もたくさんいるんでしょうが、表面的にはサクサクと進行。
舞波も特別感情を出したりもせず、淡々と。この時、嗣永がひどく鋭角的な表情をしてたのが印象的だった。


4.ハピネス〜幸福歓迎!〜
5.恋はひっぱりだこ
6.ファイティングポーズはダテじゃない!

この辺はいつも通り。幸福感溢れるステージ。ただ、15列からだと表情はハッキリとはわからないし、ダンスの力も距離に負けて伝わりづらい。もうちょっと前に行けば良かったかな・・・。
卒業発表からハピネスへの流れ、初日市原では皆どんな思いで聴いたんだろう、とふと思った。
茉麻の顔芸は相変わらず。オペラグラスで見つめ続けたい衝動にかられるも、今日はベリーズというグループを感じたかったので我慢。
ここから2〜3名ずつに別れて歌うコーナーへ。


7.恋をしちゃいました!(朗読)(夏焼・千奈美

「徳さん、雅の愛のポエム」。朗読というか、小芝居。ふたりで「ありゃりゃりゃりゃりゃー!」って言ってるのがなんとも(笑)。キッズヲタである事に腹を括っている方はここでひたすら萌えられるんでしょうが、私の様にまだおっかなびっくりな新参者は、「こ、これ、楽しんでいいのかな・・・?」と素に戻ってしまうのですよ。あと、私の中で夏焼って大人びた娘っていう印象なので(本当はどうか知りませんが)、モノマネとかこういうおこちゃまっぽい事してる姿を見ると、なんだかムズムズします(笑)。
「年令ちょっと上の人」→「いや、おっちゃん、かなり上やねんけど」。「恋になればいいな!」→「なまずなまず?」なんて事を考えて遊んでおりました。
一番で終わり。


8.かっちょええ!(キャプテン・舞波茉麻

印象の薄い曲だったので、やらないんじゃないかと勝手に決めてかかってたのでビックリ。
告白します。私、太腿やふくらはぎに浮き出る筋肉のラインが大好きなんです。フェチと言っても良いくらい。で、この曲のがに股気味に開いて振る振り、ちょっとたまらんかったです。特に茉麻が!まったくいけない娘だ!
次に「あずみ」を映画化するときの主役は茉麻が良いと思った。


9.Today is my bitrhday(夏焼・菅谷)

このコンサートの白眉。大袈裟で無く、全身鳥肌が立った。このふたりが居ればベリーズは後10年だって戦える。本気でそう思った。ネタバレ回避してて良かったと心から思った。
白い光が弾ける中で二人の女の子が踊りまくって袖に捌けて行った、それだけしか覚えていません。でも、その残像が4日経った今でもちらついて消えまない。この1曲聴くためだけに定価払って全く惜しくない。
とにかく、凄かったです。


10.小遣いUP大作戦(嗣永・千奈美・熊井)

前の曲が凄すぎて割りを喰っちゃいましたね。
嗣永は悔しかったんじゃないかな、なんて思いながら見てました。


11.パッション E-cha E-cha

この日一番ベリーズというグループを感じられたかも。
何度聴いても、この詞を書いたときのつんく♂先生には神が降りてきてたとしか思えない。
ハニーパイみたいに足をパカパカさせる振り、歌に合ってないと思うんですけど、やっぱり楽しいですね。
一旦全員掃けて暗転。


12.蝉(PV)

浴衣姿のベリーズが田舎や海辺でたわむれる写真の合間に、メンバーのやりとりするメールの字幕を挟む構成のビデオが流れる。清水「みんな、夏休みどこいった?」みたいなの。
アルバム聴く時は飛ばす事が多い曲なんですが、こんなに良い曲だっけ・・・?そう遠くない時期に失われてしまうだろう、たまらない気持ちにさせられるなにか。
この曲で、しかもビデオでここまで高まるとは思いませんでした。


13.ピリリと行こう!

夏繋がりで良い流れ。ハイスコアでは、この曲は安易に使われすぎて磨り減ってしまうんじゃないかと思ったけど、今回はしっかり力強さが感じられました。


14.夢でドゥーアップ
15.安心感

夢でドゥーアップはやるんじゃないかと思ってたんで、「来た!」って感じ。


16.あなたなしでは生きてゆけない

初単独ではセットリスト故か、露出の多い衣装故か違和感があったんですが、今回は良かったです。ただ異常に完成度の高いこの曲のレベルに拮抗できているのは夏焼のみ。早くこの歌に見合うレベルの表現力を身に付けた姿を見たいな、とも思いました。
一旦暗転。


17.恋の呪縛

歌詞の朗読から入って、続いて歌へ。趣向がバッチリはまって一気に高まる。やっぱり格好良い曲だな・・・。
が、怒涛のLOVEコールでブチ壊し。決して一部の人だけによるものとは言えないこのコール、この人たちのベリーズへの愛情ってなんなんだろうって思いました。


18.スッペシャルジェネレ〜ション
19.友情 純情 oh 青春

スペジェネは完全に予測出来ました。この流れではこれしかない!という感じ。
この辺は説明不要。いつも通りの盛り上がり。


EC

舞波コール。最近のハローのコンサートではアンコールが盛り上がらない事が多いけど、今回は暗転直後から盛大に。


21.MC

キャプテン→嗣永→夏焼→茉麻千奈美→菅谷→熊井→舞波の順に挨拶。
舞波の番になると沸き起こる大歓声。舞波「はい。楽しい時間はあっという間に過ぎて行きましたが、皆さんと過ごした時間は一秒一秒が私の一生の思い出です。ツアーの最終日まで、全力で頑張ります。ありがとうございました。石村舞波でした!」


22.BERRY FIELDS

この曲聴きたかったので嬉しかった!

ねえ 去年よりも 良い感じでしょう?
ねえ 明日はもっと ずっと一緒が良い

小さな夢の 苗を植えましょう
VERY NICE BERRY FIELDS この地球に愛を

この歌詞がこんなに染みるとは・・・。
私がベリーズに心惹かれるようになったのは初単独以降とつい最近なんですが、それでも彼女達のデビュー以来の様々な光景が去来し、感じる所がありました。この幸福感溢れる歌詞に約束された世界がもうすぐ形を変えてしまう事に思いをきたすと、尚の事。


23.Bye Bye またね

キャプテンの頬に涙が。何も言う事はありません。
最後、左右にそれぞれ手を振ってさよならするベリーズ

終演


全体の感想

・最後の2曲にはさすがにグッときました。ここに来てようやく「卒業」の実感が湧いたというか。
けど、全体としては大崩れしたり卒業ムード一色という事もなく、通常営業のコンサートが見れました。私はベリーズに関しては全くの新参ですし、「起立、礼、着席!」を一度も聞いたことがない様な浅いヲタなので、強い喪失感を感じたりする訳ではありません。彼女達のパフォーマンスを余分な物語抜きに楽しみたかったので、その点では良かったです。
方々から良い評判は聞いていましたが、これだけ魅力的な娘達がこんなに良い曲を歌って踊るんだから、これくらい出来て当然という印象。呆然自失って事は無かったです。セットリストについても、こんな良曲を並べたらよっぽどポカをしない限り良いものが出来るに決まってますしね(でも、セットリストの心配しなくて済むの久しぶりだな・・・)。
力通りのものをしっかり見せてもらえました。楽しかった!

・特筆すべきは「Today is my bitrhday」。唯一「ちっちゃい娘がドタバタ頑張ってるなー」というレベルを突き抜けて、「表現」というレベルに達していたと思います。CDで聴いた時は殆ど印象に残らなかったこの曲、ライブだとここまでかっこよくなるとは!ダンスに秀でたこの2人を組み合わせた点と言い、ライティングと言い、スタッフもGJでした。
仕事がなけりゃ、この1曲目当てに急遽名古屋公演行ってたかも。

・上記のレポに明らかですが、1曲ごとの印象はあまりありません。それは彼女達の力がまだつたなく、曲ごとに表情を演じ分けるレベルに達していないという事でしょう。15列(オケピがあるので実質20列くらい)からだと夏焼以外のダンスはイマイチ伝わりきらず。やっぱりベリーズは前の方の席で見た方が良さそうです(それは分かっていたんですが、ここから5列前進するだけでチケ代倍になってしまうんですよね・・・)。

・特別印象に残ったメンバーは夏焼。特にダンスは完全に頭ふたつ分程飛び抜けた印象。どの曲でも最後は必ず彼女に視線が落ち着きます。この娘が居ればベリーズは大丈夫!と感じました。
嗣永も今日はキレキレ。ただ、余り注目はせず。今日は個人よりベリーズというグループを感じたかったので・・・。
菅谷、動きはよく無かったです。ただ、初単独やなんちゅう恋の握手会に比べて、シンデレラ握手会以降、良い笑顔を作ろうという強い意志を感じます。
キャプテンのキレ味は相変わらず。
茉麻の顔をUPで撮り続けたDVD発売してくれないかな・・・。
千奈美、この娘がセンターを張れる様になったら、ベリーズはえらい事になる気がします。一気に3段くらいステップアップするというか。
舞波、時々「舞波ってこんなに踊れる娘だっけ?」というキレを見せるも、別のタイミングだといつもの舞波に戻っていたり。あと、この娘結構お腹出てますね(笑)。
熊井はやっぱりぎこちない。この娘のポジションがいまだに把握できない・・・。
茉麻とキャプテンが尋常でなく汗をかいてたのが印象的。
・初日市原で「ピリリ」と「夢でドゥーアップ」の間にあったらしい「日直」がカットされてました。名古屋でも同様にカット。理由は不明。この日の開演の遅れと関係あるのかな?
ヲタ芸を全く見ませんでした。最近この傾向が続いてますが、いい事です。


舞波の卒業で私が受けたショックのひとつは、「ベリーズがもう無垢では無くなってしまった」という事です。メンバーチェンジを繰り返し傷だらけになった娘。に対し、ベリーズはひとりも卒業メンバーを出していないが故に、なにか無防備に自分を投げ出しても良い、そんな気にさせてくれました。やがて訪れるであろう痛みに備え身を強張らせなくても良いやすらぎ。それが失われるのか、形を変えるのか。
7人のベリーズを見た時、私は本当にそのショックを感じるのでしょうか。

・帰り道思った事。
早く大きくなって欲しい。そしてもっと強くなって欲しい。
私の勝手な欲求と身もフタも無い現実が折り合う地点はそこにしかない。
今、4期を見る時に感じる「あんな娘が、立派になったなぁ・・・」という、頼もしさと寂しさの入り混じった感情。それをベリーズに感じる日が早く来て欲しい。
そんな事を思いました。