「震災10年 神戸からの発信」フィナーレ 

aibomb2005-12-04


神戸ウィングスタジアム

公式サイト←音が出るので注意!


神戸市で行われた震災10周年イベントに松浦が出演したんで行って来ましたよ。松浦登場部分だけかいつまんでレポします。


・イベント内容としては、小曽根実(ジャズピアニストである小曽根真の父)・ばんばひろふみ(いちご白書をもう一度)・杉田二郎戦争を知らない子供たち)・平松愛里・大江千里・松浦・堀内孝雄の順で2曲ずつ(ゼネラルアドバイザーのばんばひろふみと、松浦とべーやんは3曲)披露。その合間に地元小学生の合唱とか、県知事・神戸市長のトークが挟まるという形。出演者は何らかの形で兵庫県や震災に関わった人だそうな。
・会場の神戸ウィングスタジアムはW杯のブラジルvsベルギー戦もやった立派なスタジアム(なのにヴィッセル神戸はJ2陥落。哀号)。メインスタンド前に幅20m程のメインステージ、そこからフィールドを十文字に横切る花道、その交差点に10×20m程のセンターステージ、横花道上にサブステが左右ひとつずつ。小曽根実はメインステージで、松浦・べーやんはセンターステージ、他はサブステージで歌披露。
・客席はバックスタンドとサイドスタンドの3割を開放。9割の入り。アナウンスによると1万人入ったとか。けど正面のメインスタンドが封鎖されて空っぽなので、空白感はそれなりに。
・屋根を閉じていたのでさほど寒くはない。
・客層は中高年夫婦・中高年女性グループ・家族連れが圧倒的多数。ヲタは100人いたかどうか。
・2時開始で5時過ぎ終了。松浦が歌うあたりから日も暮れて、ピンスポットの中で歌う形に。


開演

地元初学生の合唱の後、松浦を先頭に、出演者全員登場。ここでは紹介されてひとこと挨拶しただけで、すぐ退場。
松浦の衣裳は、濃い紫地にスパンコールがたくさん付いたゆったりしたスーツっぽいのに、銀ラメのシャツ。テレサ・テンとか美川憲一が着てそうなやつ、といえば伝わるかな。髪は一本に束ねて左から垂らす。ニコニコしつつ、基本お澄ましモード。入退場時にスタンドに手を振ると、家族連れなんかが結構必死にがっついてましたね。紹介・入退場時のヲタの叫声に、一般客が「なになに?」って感じで笑いながらキョロキョロしてました。まあ許容範囲だったかと。


松浦以外の出演者はざっくり飛ばして・・・


日もとっぷりと暮れ、プログラムも後わずか。スポットライトが照らし出す正面メインステージのカーテンが開き、松浦登場。センターステージまで花道を歩きながら「渡良瀬橋」。高音がややかすれて、全体にざらついた感じ。完調ではないながらも力強く歌い上げる。続いて「気がつけばあなた」客席は手拍子。
続いてMC。「この歌、知ってる人?」チラホラ手が上がる「ありがとうございます!」「今日は色んな年齢の人がいらっしゃると思うんですが」ここで年代別に手を挙げさせる。小さい子、女の子が多くて嬉しそう。20代の所でヲタが大声出してのけぞる。「私の事知らない人もいると思うんですが、ちゃんと覚えて帰って欲しいなと思います」適度に距離感のあるMCも心地良く。
最後は「草原の人」。美空ひばり作詞のエピソードを話してから。こねる様な歌い方。やっぱり調子は良くなさそう。
「普段はちらほら『ウォー』っていう様なお声の方が多いんですけど、すごく暖かい目で聴いていただいて、心地よく歌えました」「このスタジアムは、今年のヴィッセルの開幕戦で一度来ました。残念ながらJ2に落ちてしまいましたが、私も応援しますので、また戻ってきて欲しいなと思います」最後のは楽天がらみの営業トークでしょうか(笑)。


フィナーレは出演者全員再登場で、「翼をください」の合唱。後ろに並んでいた高校生がずっと松浦の方を見てたのが可笑しかった。

「ありがとう!そして、明日からも」の文字がレーザーで浮かび上がるなか、終演。


全体の感想

松浦より前に歌った人は皆「横花道から登場→サブステで歌」と言う形でしたが、松浦とべーやんだけが「正面メインスージから登場→センターステージで歌」の形。相当優遇されてましたね。歌う曲数も多かったし、格段に華やかな印象を受けました。受け答えもそつなく、「国民歌手」というフレーズが浮かぶほど。大船に乗った気分で見てられました。これがごっちんだったらハラハラしながら見ることになるんでしょうが(笑)。
客席の反応も良く、あややブランドの強さを再確認。ハロプロでこれだけのメジャー感を持つのって、後はWくらいでしょうね・・・。


そういえば、松浦が歌い始める直前に、客席に配置される係員の数が急増。制服警備員も巡回を始めました。我々はどれだけ信用されてないだって話ですね。
そんなヲタですが、時々あややの名を大声で叫んだり、「気がつけば」で合いの手入れるくらいで、目立った粗相は無し。ヲタ芸人も目にした限りではいませんでした。良かった。


こんな事も感じました。
大江千里のイメージって「田中美佐子と出てたドラマでメリーゴーランドから落ちて死んだ人」「NHKトップランナーで全然仕切れて無くて、相方の元女子バレー選手に主導権持ってかれた人」って感じで、要するにパッとしない人だったんですけど、完全に印象変わりました。エレクトリックピアノ一台で弾き語りするんですが、ピアノと歌声がちゃんと対話していて、そこから新しいイメージが立ち上がる、その瞬間が物凄くスリリングなんです。CDというパッケージ商品にして流通させてしまえば、どこかで見たような大量生産品のひとつにしか見えないかも知れない。相対化する事も簡単かも知れない。けど、目の前で新しい何かが生まれる瞬間、これはちょっとした見物でした。ライブでしか味わえない、これぞ音楽の楽しさ。
この後に松浦とべーやんがカラオケで歌うのを聴くと・・・。うまいんですけど、大江千里に感じたあのピチピチとした楽しさは味わえないんですよね。単純に、オケが生演奏より汚く聞こえるというのもありますし。
彼女の才能を信じるからこそ、もっと良い環境で歌わせてあげて欲しい、そんな事を考えました。


私は震災で被災しましたが、比較的被害が少なかった事もあり、自分が被災者であるという意識はあまりありません。なのでこのイベントも震災云々よりは、松浦がアウェイ環境でも存在感を発揮し、中高年層や家族連れに好意的に受け入れられている、そんな空気を感じられたのがなによりの収穫でした。ハロプロコンサートで感じた事のない種類のとても豊かな気分で帰路につくことが出来ました。

このイベントの模様は、12月31日午後2時〜3時にラジオ関西で放送されるそうです。