松浦新曲 Mst・POP JAM

近田春夫山下達郎の「ON THE STREET CORNER 3」を評して、「最早正座して拝聴するしかない」と書いてたのを思い出しました。
今の松浦は、そういう「突っ込みを入れようがない領域」の一歩手前で、ギリギリ踏みとどまってる感じ。そんな彼女の有り様が、Mstで歌い終わってからおどけてピースして見せたシーンに凝縮されていた様に思います。
いまだ「あやや」を求める世間と、「松浦亜弥」を見せたい松浦。あの日彼女が見せた歌唱は、世間が求める「あやや」像を彼方に置き去りにしたものでした。が、最後のピースサインで巧みに「あやや」に舞い戻って見せ、だから見る側も安心して今見た「松浦亜弥」を受け入れる事が出来る。それを可能にする反射神経が素晴らしい。


自分は松浦の何に惹かれているんだろうと考えた時、勿論アイドルに対するベタな感情というのも大きいのだけれど、それに加えて「アイドルサイボーグ あやや」から「歌手 松浦亜弥」へと慎重に、しかし着実にシフトしていく、そのしたたかさに惹かれているのだろうと思う。