娘。うたばん・ポップジャム出演

対称的な印象。うたばんを見た段階では否定的な印象しか残りませんでした。「うたばんのおかず」が軒並抜けて、もはやいじりようが無くなった娘。。あのけたたましい笑い声の不在をこれ程強く感じたのは初めてです。歌でも「テレビってなんて不自由なんだろう」と感じました。グループ全体のエネルギーはその時一番輝いているメンバーに集まるもの。なので、ライブではそんなメンバーに注目する事でグループの力や一体感を感じる事が出来ます。しかし当然テレビではそんな見方は出来ません。基本に忠実ではあるものの凡庸なカメラワークからは「娘。って平板なグループになっちゃったなー」と言う以上の印象は受けませんでした。これでは見る側が余程意識しない限り、今の田中の調子の良さは伝わらない。ハロコン大阪公演で娘。に鮮烈な印象を受けた身としては甚だ欲求不満。
美貴様が久住に世話焼いてたのは面白かったですけどね。「カメラあっちだよ」とか言って指差してたシーン、ごっちんが初めてFUNに出た時を思い出しました。
一方ポップジャムではさゆや紺野、美貴様でしっかり笑いを取りつつ、久住も印象に残る出来。歌も上々。NHKホールでの収録故、背後からのショットや引きの画が使えるのも強みですね。
なんでこんなに差が出たのか。歌に関してはスタッフの力量の差として、トークは放送時間が鍵になりそうです。深夜放送のポップジャムや音楽戦士（こちらも面白い！）ではさゆや紺野と言った世間的にマイナーな面子をいじる事も出来ますが、ゴールデンタイムのうたばんやMステではそんな冒険は出来ない。だからゲームに逃げたりトークの時間を切り詰められたりする。つまり、今の娘。は深夜枠が似合う存在になったと言う事でしょう。

そしてそれは、そんなに悲観する事でもないだろう、私はそう感じています。
「愛の第六感」を聴いていてよく思うのですが、このアルバムは「ファーストタイム」ととてもよく似ています。「セカンドモーニング」や「3rd LOVEパラダイス」の様な聴く者の首根っこを掴んで引き摺りまわす力は無い。けど、こじんまりとはしているものの、メンバーひとりひとりの魅力をよく引き出していて聴き込む程に味が出る。シンプルさ故に何かが始まる予感を感じさせる。清新な魅力。新しい娘。の出発点を飾るにはなかなかいいアルバムじゃん、そう思えるのです。
そして春ツアーと夏ハロを通して、今娘。のルネッサンスは始まったばかりだという確信を得る事が出来ました。今日から夏ハロ東京公演が始まりますが、会場に足を運んだ方が同じ感想を持ってくれると良いなと思います。