THE マンパワー!讃

つんく♂先生の偉大さって、メジャーなアイドル楽曲で出来る表現の幅を拡げた所にあると思うのです。「ラブマ」とか「じゃんけんピョン」が典型ですが、トップアイドルにあんなふざけた歌歌わせて、しかも3週連続1位とか、つんく♂先生以外には誰にも出来ない訳で。チャートの順位はともかくとして、今でもつんく♂先生には「ここまでやってOK?」「じゃ、ここまでやったらどうだ!」というチャレンジをして欲しい。そしてこっちは「なんだこりゃ!こんなのムリムリ!有り得ない!ん?でもひょっとして良いかも。つーか良い!凄く良い!娘。最高!!!!うおおおぉぉぉぉおっぉおおおお!」なんて狂喜したい。自分の感覚が拡張されたかの様な快感。これぞつんく♂マジック。で、「マンパワー」には収まりの良いキャッチーなラインでまとめようなんて見積りは微塵も感じられない、「オチは全く見えてないけど、それでもいい、とにかく新しいことやったれ!」「ストライクゾーンなんて関係あらへん!俺が球を投げた所がストライクゾーンや!」というつんく♂先生のソウルを感じたんです。
確かに歌詞は全く練れていないし(直前に差し替えて一晩で書き直したのでは、と邪推してしまいます)、インストを聴くと余りの一本調子に呆然とします。でも、ボーカル入りで聴くと、何故か笑えて仕方がないんですよね。飯田さんの卒業ソングとしては余りにも悲惨なあの瓦礫の山の隙間から、キラリキラリとつんく♂先生の熱いソウルが垣間見えるんです。見えた気がするんです。多分、見えたと思うんですけど。・・・見えませんでした?私が1人でツボに嵌ってるだけなかな?
今年つんく♂先生がバカをやろうとした曲と言えば、他に「カッチョイイゼ!JAPAN」があります。横アリに響き渡る鼓の音、障壁画を模したセット、岡πを強調する振り付け、無意味にポジティブな歌詞、あまりの安易さに大笑いしたものです。でもあの曲も結局はキャッチーなメロディーに収斂してる訳で、その意味では無難な作りではある。対して「マンパワー」は後先考えずにウルトラC狙って結局首から着地して脊髄損傷、みたいな蛮勇を感じます。その無謀さがたまらなく好きだし、笑えて仕方ないのです。
考えてみれば「ジャンケンぴょん」だって、世間から失笑を買って終わり、という可能性もあった訳で。「マンパワー」は「ジャンケンぴょん」に成り損ねた曲、と言ったら誉めすぎでしょうかねえ・・・。うーん、例え過大評価であっても、むしろこんな時だからこそその蛮勇を買うべき、ヲタの「バカつんく♂支持の声(誉め言葉)」を伝えるべきなのでは。ハロプロ楽曲史上最高傑作は「ジャンケンぴょん」であると信じる私はそう思うのです。

この道を行けばどうなるものか 
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せば その一足が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ
行けばわかるさ